カテゴリ:メカニコ的ホイール論( 21 )

スポークの組み方:等間隔と変則組みの違い

一般的にホイールのスポークは等間隔で張られていますが、カンパニョーロのG3やRolfのペアスポークなど変則的に張られているホイールもあります。

カンパニョーロとフルクラムは、シャマルとRACING ZEROのように同じリム・スポーク・ハブを採用しながら、リアホイールがG3(シャマル)と2:1システム(RACING ZERO)でスポークの張り方に違いがあり、乗り味も若干違います。スポーク間隔が広いG3の方がためを作り易く、乗り心地も若干良いですが、スポークが等間隔に近い2:1システムは、ソリッドな剛性感で反応が良くキビキビ走り、横剛性も若干高く感じられます。完全な均等張だった初期2:1システムは、G3との違いが現行モデルよりも分かり易く感じられました。Rolfなどが採用するペアスポークもG3と似たフィーリングです。どちらが良いということはなく、各々の脚質に合わせたり、乗り味や見た目の好みで選んでください(^_^)

G3やペアスポークなどのスポーク間隔が広いホイールの欠点を1つだけ挙げると、落車などでリムが曲がってしまった時に、スポーク間隔の広い箇所が曲がっていた場合、曲がりを修正することが難しく、基本的にリム交換になってしまいます。スポークが等間隔のホイールであれば、リムが曲がっても何とか使える程度まで修正することが可能な場合があります。ただ、リムが曲がると、修正してもスポークテンションにバラつきができて、そのホイール本来の性能を100%は発揮できないので、応急処置が可能ぐらいに思ってください。
※カーボンリムは、曲がったリム=破損したリムとなるので、スポークの組み方に関係なく曲がったリムを修正しての使用は非常に危険です。

by SG_Meccanico | 2016-06-14 06:30 | メカニコ的ホイール論 | Comments(0)

ホイールのタイプ別特徴:カーボンクリンチャーホイール

カーボンクリンチャーホイールは、タイヤを保持するウォールの強度確保とブレーキング時の熱対策のため、カーボンチューブラーホイールと比べると重量が増えて、さらに神経質な部分がありましたが、近年は各メーカーが様々な工夫をして、その差が少なくなってきたような印象を受けます。ただ、リム重量がだいぶ軽くなったとはいえ、ウォールでタイヤを保持するという構造上、チューブラーリムより若干重くなってしまうのは、仕方ありません。
そのため、同じリムハイトでカーボンクリンチャーとカーボンチューブラーを比べると、カーボンクリンチャーの方がリム重量がある分横風に強く、乗り味がやや平坦寄りになります。例えば、リムハイト35㎜のカーボンクリンチャーは、50㎜ぐらいのカーボンチューブラーの乗り味に似るような印象です。
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カーボンクリンチャーを使用する際の注意点として、ブレーキシューは必ずそのメーカー推奨のものを使うようにしてください。各メーカーがそれぞれにブレーキング時の熱対策をしているため、ブレーキシューはそれに合わせたものを採用していることが多いです。これは、カーボンチューブラーにも言えることですが、より熱に敏感なカーボンクリンチャーでは特に重要です。
また、タイヤの付け外しをする際に使用するタイヤレバーは、樹脂製のもの(できればカーボンリム用)にしてください。金属製のタイヤレバーは、カーボンリムを傷つける可能性が高いので、使用は控えましょう。

by SG_Meccanico | 2016-05-28 06:30 | メカニコ的ホイール論 | Comments(0)

ホイールのタイプ別特徴:アルミのディープホイール

シャマルというと軽量アルミホイールを思い浮かべる方が多いと思いますが、過去にアルミのディープホイールにその名が付いていました。メーカーは同じカンパニョーロですが、同じシャマルでも似ても似つかないリムハイトが38㎜の頑丈なアルミリムで、その重さから鉄下駄なんて呼ぶ人もいました(笑)。ちなみに、現在もカンパニョーロのホイールラインナップにあるピスト用のPISTAは、旧シャマルと同じリムを採用しています。
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特徴は、超ディープのカーボンホイールに負けないぐらい高速域での巡航性の高さを持ちながら、横風に強いという、平坦や緩斜面で使うには魅力を感じるホイールでした。ただ、下りでブレーキの利きが悪かったり、コーナーリング中でもドンドン加速しようとするなど、勾配がある程度以上の下りではスリリングなホイールでもありました(^^;) 縦剛性・横剛性どちらも高いので、ハンドリングは意外にも素直でした。
発売されていた当時は、アルミフレーム全盛期ということもあり、アルミバイクとの相性が良く、ドッシリした漕ぎ出しも多少軽快にできました。

近年はあまり見かけないタイプのホイールですが、たまに使いたくなる面白いホイールでした。

by SG_Meccanico | 2016-05-24 06:30 | メカニコ的ホイール論 | Comments(4)

ホイールのタイプ別特徴:手組ホイール

完組ホイールが主流の現在でも一定の支持を得ている手組ホイールは、リムやハブ、スポークの素材・形状・組み方などを組み合わせて自分好みの味付けをできるのが魅力です。見た目や乗り味の相性が良い細身のクロモリフレームで使っている人が多いですが、カーボンやアルミフレームのユーザーにも好んで愛用しているのを見かけます。
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選ぶリムによって乗り味に違いが出るのはもちろん、同じリムでも細めや軟らかめのスポークで組めばゆったりした乗り味に、強いスポークを使ってスポークテンションを高めに組めば高剛性なホイールにもなります。OPEN PROのような剛性が高いリムを使えば、28Hで高めのスポークテンションで組むことができ、完組ホイールのような軽量で高剛性のホイールも製作可能です。ちなみに、リム:OPEN PRO(28H)、ハブ:10速RECORD、スポーク:DTレボリューション2.0/1.5㎜で組んだホイールは、重量が1500g半ばで、手組らしい乗り心地の良さとシャキッとした感じを併せ持っていました。また、アルミリムだけでなく、24Hのカーボンリムで右スポークと左スポークの本数を2:1で組んだリアホイールのように(実績あり)、狙い通りのテンションバランスを作り出すこともできます。
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自分が思い描く理想のホイールを具現化できるのが、手組ホイールかもしれません。

by SG_Meccanico | 2016-05-17 06:30 | メカニコ的ホイール論 | Comments(0)

ホイールのタイプ別特徴:リムハイトが70㎜以上の超ディープホイール

リムハイトが70㎜を超える見た目にも厳つい超ディープホイールは、使うシチュエーションを選んだり、扱い方に心得が必要だったりと気難しいところがありますが、ハマると驚異的な威力を発揮します。

まず、その見た目から分かるように風の影響をモロに受けます。追い風や向かい風の前後からの風には強いですが、余程のパワーと体重がない限り、思いっ切り横風に煽られます(^^;) 体重が60kg台の人でも、ハンドルをとられそうになることが多々あると思います。
また、高いエアロ効果と引き替えに、バイクの立ちが非常に強くなり、コーナーでアンダーステアが出易くなります。コーナーの入り口で思い切って一気にバイクを倒さないと、綺麗に曲がることができません。プロ選手のバイクコントロールを見ていると、超ディープホイールを使っている時のカンチェラーラのコーナーリングは、とても良いお手本だと思います。ちなみに、下の写真のように、前輪をノーマル・後輪を超ディープにすると、横風の影響は受け難くなりますが、アンダーステアが出易い傾向はあまり変わりません。
あと、緩斜面以外での下りでは、コーナーリング中でもドンドン加速しようとするので、コーナーではブレーキを当て効きさせないと怖いかもしれません。
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先に気難しい面を書きましたが、長所はやはり高速域での巡航性です。中速域までの加速は、他のカテゴリのホイールより多少力を使いますが、中速域~高速域の加速は良好で、一度高速域まで持っていくとその持続性に驚くと思います。
追い風や漕がないといけない緩斜面の下りでは、無敵と思えるほど非常に良く進み、向かい風も他のカテゴリのホイールより強く、超ディープリムの効果を感じられます。緩斜面の上りも意外と良く、スピードの持続性の高さから勾配が緩めのアップダウンも得意なシチュエーションです。一方で、加減速が多いインターバルがかかるようなシチュエーションは、あまり得意ではない印象です。

風が無いもしくは弱くて、平坦や勾配が緩めのアップダウンがある加減速が少ないコースでは、超ディープホイールがハマると思います。殆どの人が、使えるシチュエーションをかなり限られてしまいますが、ハマると絶大な効果を得られるので、お財布に余裕があるなら(笑)、持っておくと楽しめるホイールかもしれません。

by SG_Meccanico | 2016-05-10 19:00 | メカニコ的ホイール論 | Comments(0)

ホイールのタイプ別特徴:リムハイトが50㎜前後のカーボンチューブラーホイール

ディープリムと言われると、リムハイトが50㎜ぐらいのホイールを思い浮かべる人が多いと思います。このタイプのホイールの特徴は、スピードの伸びが良く巡航性が高いところです。高剛性なアルミホイールには若干劣るものの、インターバルにも十分対応できる反応の良さも持ち合わせています。
一昔前は、メーカーによって横剛性が弱いホイールもありましたが、近年ワイドリムが標準になってきたことで、どのメーカーでも十分な横剛性を確保できている印象です
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リムハイトが40~50㎜ぐらいになると横風の影響を受けるようになり、体重が軽い人は強風時に真っ直ぐ走るのが難しくなってしまいます。また、アンダーステアになる傾向があり、しっかりバイクを倒すことを意識しないと、綺麗にコーナーを曲がれません。これらの影響を受けるようになる体重ですが、60㎏ぐらいが境目になるように見受けられます。60㎏以下の軽量な人でも、重いギヤを踏めるようなパワー系の人は、影響を受けずに使いこなせるかもしれません。

リム重量が400g弱と軽量ですが、上りでは若干トルクが必要です。平坦が得意なパワー系の人には、上りでも良く進むように感じますが(上りが得意か苦手かは別 笑)、パワー系ではない人だと、上りで少しズル牽くような感覚がすることがあるかもしれません。勾配が緩い上りではパワー系でなくても、気持ち良く進んでくれます。

総評すると、パワー系には風の強さや平坦・上りと関係なくオールラウンドなホイール、それ以外の人には平坦向けのホイール、軽量な人は風の強さに注意が必要なホイールです。

by SG_Meccanico | 2016-05-07 06:30 | メカニコ的ホイール論 | Comments(0)

ホイールのタイプ別特徴:リムハイトが35㎜前後のカーボンチューブラーホイール

リムハイトが35㎜前後、もっというと35~40㎜のカーボンチューブラーホイールは、上り・平坦・インターバルと、どのシチュエーションでも高いレベルでこなしてくれる万能選手です。また、ハンドリングの癖があまり無いので、バイクコントロールがし易く、値段を除けば(笑)誰でも気軽に使えるのではないでしょうか。相当な強風でもない限り、横風への対処もそれ程問題ありません。
さらに、リムハイトが50㎜以上のホイールと比べると乗り心地が良く、長時間のライドでも快適に過ごせると思います。

そんな優等生の欠点をあえて挙げるなら、ノーマルハイトのアルミホイールと同様に、上りや平坦に特化したホイールに劣る場面があるということです。

「カーボンホイール選びに迷った時は、とりあえずこれ!」となるオールラウンドなホイールカテゴリです。

by SG_Meccanico | 2016-04-30 06:30 | メカニコ的ホイール論 | Comments(0)

ホイールのタイプ別特徴:リムハイトが30mm以下のカーボンチューブラーホイール

超軽量ホイールに分類されるリムハイトが30mm以下のカーボンチューブラーホイールは、急勾配の上りや駆け引きなどでインターバルがかかるヒルクライムレースで威力を発揮します。ただ、緩斜面の上りでは、アルミホイールやリムハイトが高いカーボンホイールの方が、スピードを保ち易い場合が多いと思います。個人差があると思いますが、斜度7~10%ぐらいが超軽量ホイールが威力を発揮する境目になるのではないでしょうか。路面からの突き上げを感じ難いので、緩斜面でも路面が荒れている場合は、有利になることもあります。

完全に上り向けのホイールなので、中速域までの加速は良いですが、それ以上の伸びがイマイチで、高速巡航では常に踏まないと、スピードが落ち易くなってしまいます。脚質による違いがあるので一概には言えませんが、平坦では重めのギヤを踏んだ方が走り易いかもしれません。

超軽量ホイールの特徴として、リム重量の軽さからバイクの立ちが弱く、コーナーでバイクを倒す~傾きを保つ~起こすという動作をマニュアル的にやらないと綺麗に曲がってくれません。さらに、バイクを倒す際、どこまでもバイクが倒れそうな感覚になり、バイクコントロールが苦手な人は、下りでのライン取りが上手くできず、怖いと感じることがあると思います。逆に、バイクコントロールが優れた人は、マニュアル的にバイクを倒せるため、自由にバイクを振り回せて楽しいかもしれません。

超軽量のカーボンチューブラーホイールは、超ディープリムのホイールに負けないぐらい癖が強いです。

by SG_Meccanico | 2016-04-23 16:35 | メカニコ的ホイール論 | Comments(0)

ホイールのタイプ別特徴:ノーマルハイトのアルミホイール

リムハイトが24~30mmの一般的な上級モデルの完組アルミホイールは、上り・平坦・下りとシチュエーションを選ばず万能です。ブレーキ面がカーボンのホイールと違い、天候に左右され難いのもアドバンテージだと思います。適度なリム重量でバイクコントロールがし易く、縦剛性・横剛性どちらも高いため、下りでの安定感も抜群です。
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あえて欠点を挙げるなら、どのシチュエーションでも80~100点と優等生なホイールなため、上りや平坦に特化したホイールと比べると若干劣る場面もあります。あまり癖がないので、誰でも気軽に使い易いタイプのホイールで、エントリーモデルから良いホイールにステップアップしたい!となった時に、10万円台の上級アルミホイールは最有力候補になると思います。

by SG_Meccanico | 2016-04-12 12:21 | メカニコ的ホイール論 | Comments(0)

カップ&コーンとシールドベアリング、どっちが良い?

ハブについてたまに質問される内容として「カップ&コーンとシールドベアリングってどっちが良いの?」というのがあります。結論からすると高精度ならば「どっちでも良い」です。カップ&コーンは細かく調整できるため、ギリギリの玉当りを出せますし、多少精度が悪くても何とか誤魔化せるというメリットがありますが、高精度ならシールドベアリングでも滑らかな回転で大きな差はありません。

シマノとカンパニョーロ(中級モデル以上)は、カップ&コーンを採用していますが、どちらも高精度だからこそ最善の調整が可能になっています。ただし、細かい調整をするためには、それなりの技術と根気が必要です。

それに対し、シールドベアリングは、カップ&コーンより調整が容易なのがメリットです。ちなみに、MAVICはシールドベアリングを採用していますが、純正のベアリングは正直イマイチなので、高精度な国産ベアリングやサードパーティのちゃんとしたセラミックベアリング(安いのは低精度でNG)に交換すると、見違えるほど回転が良くなります。

シールドベアリングのチューニングで、シールが無いオープンベアリングに交換すると、非常に回転が軽くなりますが、走る度にハブのオーバーホールが必要で、実質1発勝負でしか使えません。雨天などのウェット路面では使用不可で、耐久性無視のかなり尖ったチューニングです。お勧めはしませんが、興味がある方は試してみるのも面白いかと思います(笑)。

by SG_Meccanico | 2016-04-02 11:30 | メカニコ的ホイール論 | Comments(0)